
山口県には、優良県産木材を8㎥以上使った新築木造住宅への助成「やまぐち木の家づくり推進事業」があります。登録工務店での建築、断熱等級5以上などの要件と、下関市の「市内産木材活用促進事業補助金」(上限100万円)の概要をまとめました。金額は年度の要綱で確認が必要です。
山口県は県土の7割が森林で、杉・檜の産地です。県産の木を使った家づくりには、県と市の両方に助成があります。木の家を建てたい人にとっては、国の省エネ補助や市の取得支援と重ねて使える可能性のある制度です。
先に結論
- 県の「やまぐち木の家づくり推進事業補助金」は、優良県産木材を8㎥以上使い、登録工務店が建てる新築木造住宅が対象
- 性能要件として断熱等性能等級5以上、耐震等級、劣化対策等級などが示されている
- 下関市には別に「市内産木材活用促進事業補助金」があり、内装材・外装材への市内産木材の使用に上限100万円/棟
- 金額・件数は年度の要綱で確認。予算枠があるので早めの相談が必要
山口県:やまぐち木の家づくり推進事業補助金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象住宅 | 県内で自分が住む一戸建て木造住宅の新築(増築を含む) |
| 木材の条件 | 「優良県産木材」(県の認証基準を満たす木材)の使用量が8㎥以上。構造材に占める割合60%以上などの条件も示されている |
| 施工者 | 「やまぐち木の家等推進工務店」(登録予定を含む)が建てること |
| 性能 | 断熱等性能等級5以上、耐震等級、劣化対策等級などの性能表示基準 |
| 期限 | 令和8年度は、令和9年3月19日までに上棟できること |
| 窓口 | 山口県(ぶちうまやまぐち推進課)、一般社団法人山口県木材協会 |
助成額は年度ごとに公表されます。情報サイトには「25万円」という数字が載っていますが、リフォーム事業の数字と混ざっている可能性があり、新築の額として断定できませんでした。申請前に県木材協会のページで最新の要綱を確認してください。
「8㎥以上」はどれくらいか
30坪(約100㎡)の木造住宅で、構造材(柱・梁・土台)の木材使用量は一般に15〜20㎥程度です。そのうち8㎥以上を優良県産木材にするのは、登録工務店なら難しい量ではありません。
登録工務店で建てることが前提
この制度は、施工する会社が県の登録工務店でないと使えません。登録工務店の一覧は県木材協会のサイトにあります。県産材を扱い慣れた会社かどうかの目安にもなります。
下関市:市内産木材活用促進事業補助金
下関市には、市内で生産された木材を住宅の内装材・外装材に使う場合の補助があり、上限は100万円/棟とされています。県の制度が「構造材を中心に県産材を使う」ものなのに対し、市の制度は「床・壁・天井・外壁に市内産の木を使う」もので、対象が違います。両方の要件を満たせば、重ねて使える可能性があります。詳細と今年度の受付状況は住宅政策課(083-231-1941)に確認してください。
県のもう1つの制度:ZEH導入支援
県産の省エネ・創エネ・蓄エネ設備を入れた新築ZEHを購入し、ZEHに関する情報発信・情報収集に協力する個人を対象に、県の補助があります(令和8年度)。募集は期間が区切られていて、2次募集は2026年9月に実施されました。次の募集は県のページで確認してください。
木の家と性能の関係
県の助成が断熱等級5以上を要件にしているように、「木の家=性能が低い」という時代ではありません。杉・檜の構造材に、樹脂サッシと厚めの断熱材を組み合わせれば、等級6も現実的です。木の家で性能を上げると、次の制度が重なります。
- 国のみらいエコ住宅2026(ZEH水準35万円程度、長期優良75万円程度、GX志向型110万円)(記事)
- 住宅ローン控除の限度額の上乗せ(記事)
- 下関市の住宅取得支援事業(転入・区域内転居の人)(記事)
注意点
- 県産材は一般の流通材より納期がかかることがあります。工期に余裕を持ってください。
- 塩害地域(海岸近く)で外装に木を使う場合は、塗装の種類と再塗装の周期を設計段階で決めておきます(塩害対策の記事)。
- 助成は予算の範囲内です。上棟の期限(令和9年3月19日)と、受付の締切は別なので、早めに工務店に相談してください。
まとめ
- 県:優良県産木材8㎥以上・登録工務店・断熱等級5以上が主な要件。金額は要綱で確認
- 市:内装材・外装材への市内産木材使用に上限100万円/棟
- 木の家でも性能を上げれば、国の補助とローン控除の枠が重なる
「地元の木で建てる」は、気持ちの問題だけでなく、制度の面でも理にかなった選択肢です。
出典・参考
情報の確認日:2026-10-11。制度の内容・金額・受付状況は変わることがあります。申請前に必ず各窓口の最新情報をご確認ください。


